文科省「専門家会議」最終報告書公表。
2003/04/13
「ただ待つだけでは状況は改善しない」と、子どもの状況に応じて学校などが登校を働きかけること等を「不登校問題に関する調査研究協力者会議」が最終報告書として提言しました。文科省はこれを受けて、4月中に各教育委員会に内容を通知、学校現場への周知をはかるとか……。不登校の子どもたちに共感する姿勢の重要性を指摘し「強引な働きかけで追いつめてはならない」とも書かれていますが、文科省が各教育委員会に「通知」する段階で、学校現場へ「周知」をはかる段階で、この報告書の全文がどれだけ間引かれ、マニュアル化がはかられるかを考えると、危惧を感じてしまうのは私だけではないでしょう。これまでも文科省は不登校対策を何もしてこなかったわけではありません。結果的にはそれらは十数年以上にわたって裏目に出て、不登校の「数」を増やし続けてきました。現場での対応は、学校によってまちまち、ひどいところでは担任まかせで、文科省の「指導」が(是非はともかく)「周知」されることはなかったと言っていいでしょう。「共感する姿勢の重要性」にしても、言葉では簡単ですが、実際の場面ではとても困難なことであり、今の緊張感と束縛感にあふれる管理教育の現場で一人ひとりの子どもの心に「共感する姿勢」を持つことのできる教師、あるいはその条件が存在する割合はかなり低いものと思います。調査研究協力者会議の論議と中間まとめや最終報告書は国レベルの不登校に対する対応の到達点であり、批判的視点でしっかりと読むことが大切だと思います。学校現場の方々も、間引かれた「通知」だけでなく、それら全文から具体的実践課題を考えていただきたいと願ってやみません。
話は変わって、昨日はお隣の行政区である京都市西京区の「親の会」におじゃまさせていただきました。放送授業とテキストによる机上の(パソコンとテレビに向かう)学習だけでなく、不登校の現実に触れていたいと思い無理を言わせていただきました。月例の会なので毎月おじゃますることにしました。京都の「親の会」にもおじゃまする予定です。1クラスに3人はいるという話を聞きました。学校によって数・率に違いはありますが、行政区レベルで見ると驚くほどの学校に行けない・行かない子どもたちがいることがわかります。彼ら、彼女らは日々どうしているのでしょう? フリースクールや親の会への参加者は減少傾向にあると聞きます。「適応指導」教室への通所者が増えているとも思えません。不登校を受け入れる家庭が増えているのか、でも学習や発達、社会との関わりなどの面での関わりは充分なのか、見えてこないことにもどかしさを感じます。
今日は統一地方選挙投票日。戦争を許さない立場、子どもの成長と発達を最大限尊重する施策を求める立場、税金の使い方を住民本位に変える立場をはっきりと持つ候補者に一票を投じたいと思います。