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        学校システムという行政機構に司法的チェックを…。
        2003/06/29
        今の学校システムを私なりに図に描いてみました。頂点が言うまでもなく文部科学省(その上に国があるのでしょうが話がややこしくなるので省きます)、その下が都道府県教育委員会、その下が市町村教育委員会、その下が校長会、その下が学校管理者の打ち合わせ会議、その下が教職員(職員会議ではありません。上意下達の報告・通知会となっている所が少なくないようなので…)、さらにその下に子どもたちが管理されています。この縦社会に横方向に線が延びて、地域の関係者・機関、PTA、その下に保護者が位置付きます。おおざっぱな図ですが、問題が3つ見えてきます。1つは学校システムが縦社会であることで、ピラミッド型ならまだしも縦一直線の行政管理型となっているということです。2つめは教育を受ける主権者・学校の主人公である子どもたちが最下層で管理の対象とされているということです。3つめは盛んに連携が叫ばれる中でも地域や保護者「お客さん」的に扱われその間は細い糸でしか結ばれていないことです。2つめは1つめの問題の結果ですが、教育の主権者たる子どもたちを頂点あるいは中心とした社会システムがつくれないことには教育に管理的に関わる大人のエゴイズムが強く反映していると思います。教育基本法や子どもの権利条約をないがしろにしても良い、次代を担う子どもたちの育つ環境やわかる教育をいかに実現するかよりも今年いっぱいを問題なくそつなく終えることを優先して考えるという意識がそれを支えているのでしょう。こうした歪さを改善するために、「連携」を言われる保護者や地域の関係者・機関が学校や教育委員会と密接に協力しながら子どもたちの教育をより豊かにする関係、課題があれば速やかに見定め改善への方策を一緒に検討・実践するという「司法的」関係の形成が不可欠と思います。教育委員の公選制の導入を検討する自治体があります。子どもの人権オンブズパーソン制度をもつ自治体もあります。これらが全国に広がることを願ってやみません。もっと保護者は学校に顔を出しましょう!
        昨日は京都府総合教育センター主催の「教育相談セミナー」に参加してきました。講演は京都大学大学院の山中康裕教授で、テーマは「現代子ども論-ハリーと千尋をもとに-」でした。学校関係者を主対象とした府民開放講座ですが、一般の方も多く参加されていました。一つだけ印象に残ったことを…。女子は10歳、男子は11歳に大きな転換期があり、それを気づき損なわないことが大切であり、その変化(目の輝きが増すなど)をもたらすものは子ども自身が何かをやり遂げたという達成感を体験すること、という主張です。子どもたち一人ひとりとの人間的関係性を持ち、達成経験を共有してあげられる教室であれば、学校は大丈夫と……。実際の現場では困難さが増すばかりですが、子ども自身の本来持っている育つ力を信頼し、見守りという関係性を大切にするだけでも学校は変わっていけるというわけです。総論としては理解できますが、「1~3歳は愛される中で自分が大切な存在あることを認知すること、4~6歳は人間としてしてよいこと・してはいけないことをしっかりと教える躾・養育、ここまでが家庭での教育であり、あとは学校に任せなさい」という言葉には引っかかるものがありました。教師向けの叱咤激励の意味であるとわかりながらも、学校によって自信と自己肯定感を失っていく子どもが多いという現実にはもう少し正面からの厳しい指摘がほしかったと思います。