職員室にゆとりと豊かな人間関係を…。
2003/10/26
校内で小5女児を暴行しようとしたとして世田谷区の男性教諭が強姦(ごうかん)未遂容疑で逮捕されました。この男性教諭は容疑を認めています。23日午後5時半ごろ、女子児童に対し「部活動の相談に乗ってやる」と会議室に誘い出し、服を脱がせるなどして暴行しようとしたものの女子児童が泣きだしたため、暴行をあきらめたといいます。女子児童の家族が警察に通報し、事件が発覚しました。学校は「教育熱心で、情熱的。クラス運営も一生懸命する教員だった。子供たちからも好かれている」と説明。「子供たちの力量を高めるためにしてあげたマッサージの度が過ぎてしまった」と男性教諭。「これからマッサージの状況を調査しなければ・・・」と学校側。それまでにも女子生徒に対する様々な性的な行為が行われてきたようです。
最近教師による問題行動が立て続けにマスコミ沙汰になっていますが、とても気になることがあります。いずれもがその場だけの衝動的なものでなく、一定長期に渡って続いていた行為が発覚したもので、その間学校側は保護者の指摘にも関わらず学校内部、それも当該者と一部の管理職の中で抱え込んでいて学校としての課題となっていないことです。少し距離をおいて見ると、教師間で教科指導や生徒指導、あるいは私的な問題等についての相談が気軽にできる環境、同僚としての人間関係が十分にできていない様子が見て取れます。忙しくて同僚の相談になど乗っていられない、個人の努力課題、能力評価に影響する等の理由で抑制してしまう雰囲気があるのでしょう。これらの状況で欠落してしまっているのは、「子どもたちにとってどうなのか?」という意識です。子どもたちを中心に据えた時にはじめて、どんな対応が必要か、どんな論議が必要か、どんな職員室の環境が必要かが見えてくるのではないでしょうか。保護者や地域が蚊帳の外になっていて、結果、加害者VS被害者の関係でしか関われないという状態では、「開かれた学校づくり」「学校・保護者・地域の連携」といったこれからの大きな課題を共にすすめていく前提を失うと思います。