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        18歳・16歳男女の家族殺傷事件の影。
        2003/11/02
        11月1日大阪府河内長野市で起きた家族殺傷事件は、両親や弟を殺傷した容疑で長男の私立大1年の学生(18)が逮捕され、同時に男子学生と一緒にいた交際相手の高校1年の女子生徒(16)も、自分の両親を殺すために包丁を買っていたとして殺人予備容疑で逮捕されました。男子生徒は事件後、女子生徒に「母親はあかんやろう。あとの2人は(殺害に)失敗した」と“報告”。女子生徒は「2人で過ごす場所がないので、家族全部を殺すつもりだった」と警察に供述。「中学時代は自殺未遂して独りぼっちだった。9月ごろ(男子学生と)知り合って落ち着いた。自分をよく分かってくれる人だった」と供述しているそうです。一方、男子学生の高校時代の友人によると、学生は昨年夏ごろ、腕に包帯を巻き「自分で切った。血はきれいや」と答えたり、大量の風邪薬を持ち歩いて薬の成分表を記した手帳を見せて「麻薬と同じ効き目があるんや」と話すなど、奇妙な行動が見られたという。また、死亡した母親は最近、「仕事が忙しくてかまってやれず、息子はふさぎ込んでいた」と悩みを漏らしていたそうです。女子生徒が通う大阪市内の公立高校によると、女子生徒は今春、トップクラスの成績で入学し、学業成績は常に上位で、無遅刻・無欠席。同校の教頭は「家庭で問題があったという話は一切聞いていない。非常に優秀な生徒と認識している。ただただ驚いた」と話しています。
        「みずから選んだ孤独は恵み深い結果をもたらす」(ストー:米精神分析医)。逆に、集団の中の「孤独」ほど寂しく自己を否定するものはありません。そんな不安感が対象を自身の両親たちの存在に向けてしまい起こった悲しい事件です。この「孤独感」という生活の場で表に現れない無意識=影の部分に誰も気づけなかったことが悲しい。

        向日市では「小・中学校通学区域の弾力化」という名の学校自由選択制導入へ

        来年度入学の新小・中学1年生は向日市内の学校を自由に選択できるという制度の導入が突然発表されました。1昨年から保護者の要望が強かった、小学校区が複数の中学校区に分かれる地域を「調整区域」としてどちらの中学かを選べる制度と、部活動を理由とした学校選択(市教委が便乗して導入)という校区弾力化は始まっていますが、今回の市内全域の自由選択制は全国の先取り的なものでまさに「突然」という印象です。いじめや体罰、また学校や教師への相性等から不登校となった子どもたちに対して弾力的に隣接校に編入させる等の施策は必要と思いますが、市内全域の学校自由選択制導入に向けては、保護者・地域からどんな要望・ニーズがあったのでしょうか? 市教委は説明会・相談会を頻繁に開く予定ですが、この導入劇には保護者も地域も、当の子どもたちからも声を聞いた形跡がありません。校区の再編成等を行う場合には、学校を中心とした地域社会をどう再構築するかといった課題とともに検討し実施することが必要だと思いますが…。そのねらいについて、いろんな憶測が飛び交っています。孤独感を抱く子どもが増えるという結果とならないように、細やかな寄り添いがこれまで以上に必要となると思います。