カンナの原点

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▼「荒れ」・不登校から自殺した長男

▼「荒れ」・不登校から自殺した長男

私たちの長男:学(まなぶ・当時15歳)は2000年2月4日、京都府南部の私立高校入試日の早朝に自室にて首を吊って自殺しました。
長男は中学2年生の秋より五月雨登校、3年生の9月末から完全不登校となっていました。
いじめは受けていなかったようですが、学年全体が荒れていたことにより2年生では授業崩壊の状態だったようです。
死後に調べた不登校や保健室来室者の数が、当時の子どもたちの心の状態を示しています。
「校則の遵守」、「学校秩序の維持」の名のもとに、管理主義的な生徒指導が強制されながらも抑えきれず、荒れの影で自信を失い自己否定感を深めていった多くの子どもたちは放置された状態にありました。
親もまた、こうした状況を十分に理解しないままに学校信仰と学歴主義の呪縛によって、我が子を登校刺激、進学刺激と追いつめていってしまったのです。

こうした状況の改善にむけて、私は2000年10月3日に京都弁護士会の人権擁護委員会に子どもたちの人権救済を求めて申し立てを行いました。
1年半余りに渡る調査の末、2002年2月29日に京都弁護士会から、京都府教育委員会委員長、向日市教育委員会委員長、向日市立勝山中学校校長宛に、『要望書』が執行されました。

長男の自殺から人権救済申し立ての顛末、その過程で考え学んだあれこれを一冊の本『不登校自殺』にまとめました。
子どもたちを取り巻く環境、とりわけ義務教育における日々のストレスに、私たち大人が『支え』の手を温かくさしのべてあげる必要のある時代になっています。
この一冊が不登校のお子様と関わる家族や教育関係に携わるの多くの方々にとって、子どもたちの育ちや学びを話し合う上であってはならない一つの事例として参考になることを願ってやみません。
ぜひご一読ください。